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[ 教育こそ日本最大の資源である。]
[ (1) 教育勅語について (2) 新しい歴史教科書について (3) ゆとりの教育について ]

(3)ゆとりの教育について

 いま、子供たちの教育に対して、『個性化』・『ゆとり』・『生きる力』等の言葉が、中教審答申や指導要領前文などで、頻繁に使われるようになりました。学習指導要領改訂の推移を見てみましょう。1971年・現代化カリキュラム1980年・ゆとり教育カリキュラム、1992年・現行学習指導要領、2002年・次期学習指導要領、となっています。教育改革の目的は一貫して受験戦争の競争や学力重視を『悪』ととらえて、進めてきた経緯があります。しかし、ゆとり教育のスタートと時を同じくして、全国の公立中学校で校内暴力が多発しました。また、小学校においては学級崩壊が大きな問題となっています。『ゆとり』『個性』といった曖昧な言葉が、子供たちにとって方向性を見失わせているのではないでしょうか。そして、高等教育ですでに問題となっている、大学において理数系の授業が成り立たない。といった大学教育現場での悲痛な叫び、これは学習指導要領の改訂の度に、削減されてきた主要教科の授業時間数が、学力低下にむすびついているのではないでしょうか。実際に現在の大学生の10人に2人は小学生の算数ができないといったデータもあります。『教科内容の厳選』という中教審答申のガイドラインに沿って、2002年には授業内容が3割程カットされます。これでは『良くわかる授業』や『おちこぼれ』が解消するどころか、いっそう貧しい教育と、学力低下によって子供たちの才能、可能性をつみ取ってしまいます。


 ちなみに現段階における、数学と理科の中三における年間授業時間を、NAEE2002のホームページから抜粋しますと、日本158時間、ドイツ226時間、イギリス228時間、オーストラリア251時間、フランス259時間、オランダ267時間、アメリカ295時間、オーストリア390時間、となっています。新しい学習指導要領では、またまたこれから授業時間が削減されることになります。また、同ホームページのデータによると、中国と日本の大学生とで、小・中学校の問題を中心とする25点満点のテストを行って、満点をとった生徒の割合ですが、中国:約96%、日本の国立大学トップ2校平均:約34%、私立大学トップ2校平均:約3.3%(33ではありません)ここまで基礎学力が低下しているとは、なにかが間違っているのではないでしょうか。結果、裕福な家庭の師弟においては家庭教師や塾にいかせ、不足分の基礎教育を補うことができますが、一般の家庭環境では教育における均等の機会を与えられません。
 この問題については、宮川俊彦・櫻井よしこの共著でWAC発行『この国の宿題』に、詳しくのべられております。ぜひ一読される事をおすすめします。

(4)教育こそ日本の残る道である

『教育は国家百年の大計』と言われております。かつての日本は、資源に乏しく貧乏な島国でありました。先人達は多くの科学知識を貪欲に学び、日本を世界の先進国へと導きました。『ゆとりの教育』を提唱し押し進めておられる先生方は、自分たちが受けてこられた教育をもう一度考えて欲しいと思います。このまま教育水準の低下が進めば、『社会的・経済的弱者』の教育を受ける権利を阻害するだけでなく、ひいては日本の産業は国際競争力を失い、国民の生活水準は下がり続け、日本は世界の三等国へとなってしまうのではないでしょうか。競争原理のなかにおいて、教育の世界においてもお互いに競争しあい、学力を高めていく事は決して悪い事ではありません。むしろ自分自身がどれだけの努力をしたか、次は頑張ると言ったような前向きの姿勢を教育でき、しいては骨太の人間形成にも役に立つ事だと思います。ゆとりとか自由とかの甘い言葉の裏には、必ず自己責任が付いて回る事を忘れてはいけません。極論ですが、詰め込み教育はある意味基礎学力の向上、勉学に取り組む姿勢の確立等に役に立つ事だと思います。実際にゆとりの教育を提唱してからの、学校の荒れ方や、目標を見つけられない若者の無軌道な行動が目立つようになってきました。巣鴨中学・高校の校長、堀内政三先生の言葉に、『子供は、調教しなければいけない馬である。』と言う言葉があります。今や巣鴨高校と言えば毎年東大合格者を(東大だけが大学ではありませんが)多数輩出し、押しも押されもしない名門校の地位を築き上げました。この言葉の中に、何らかのヒントがあるような気がします。前段でふれましたように、日本には残念ながら資源という資源がありません。教育こそが大きな資源ではないでしょうか。もう一度教育を見直し、再生させる事が日本の残るために残された、唯一の資源だと考えます。

NAEE2002のHPでは、
新指導要領の中止を求める署名ができます。-->>




「国旗・国歌」

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